旅館の現状

2011.11.26

旅館はわが国の宿泊施設中最大の勢力であり、平成元年現在七万七二六九軒、一〇二万四二八七室と報告されている。一方、軒数増減率は昭和五十六年以降連続して減少を記録しており、減少傾向が定着している。もちろんこの『旅館業法』による旅館軒数は、営業許可時点を基準としており廃業数の把握が甘いため必ずしも厳密に正確とはいい難いが、趨勢としては妥当なものであろう。ところで旅館の営業状態は一般的に好ましい状態にはない。

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日本観光旅館連盟(日観連)のサンプル調査によれば、経常利益で赤字を計上している施設は全体の三六・七%(昭和五十九年)に達し、営業利益がマイナスの企業さえ一五・九%存在している。日観連はピラミッド構造をなす旅館業界の上位一割ほどのところに位置しており、残りの旅館の多くは生業といってさしつかえない。これらの生業的旅館も同様の問題を抱えている。しかし生業的旅館は生業であるというメリットを生かして、同水準の収益状態では多少企業化した施設よりはむしろ倒れにくいという特徴をもっている。とはいっても長期的にこれらの生業的旅館が、後継者難という問題に直面していることも事実である。旅館の問題点は後継者難をはじめ、経営意欲の欠如、低収益等々が指摘される。