線路の改良にはお金をかけないつもり

2011.10.20

ディーゼルカーは先へと進む。平坦な田園風景の中を走っていく。このあたりは砺波平野と呼ばれているが、林に囲まれた農家が集合することなく、ぽつんぽつんと点在している。散居村といわれる集落形態であり、この地域の特徴でもある。また、ここはチューリップをはじめとするお花畑で名高いところだが、季節はずれのせいか、それらしい場所は車窓からは見つからない。丹念に停まる小さな駅のホームはそれぞれ花壇がつくられ、花の里にふさわしい演出がなされているのがせめてもの慰めだった。秋らしく線路際にところどころコスモスの花がピンクに咲き誇っていた。城端線は、フラワーツインとか常花線とニックネームをつけたり、春のゴールデンウィークには臨時の快速「チューリップ」号を運転したりして話題づくりに懸命なのだが、チューリップーフェアの訪問者はほとんどがクルマ利用のようで、残念ながら影は薄い。平野のところどころで、城端線の線路を立派な道路がオーバークロスしている。高速道路や国道のような幹線道路の下を、列車はうつむくようにくぐり抜ける。立体交差自体は安全上からも好ましいことであるが、乗っていると列車がクルマに遠慮しながら走っているようで悲しくなってくる。半分くらいは広々とした視界のもと、颯爽と高架でクルマを見下ろしてほしいと思ってしまう。いずれ廃止にするから線路の改良にはお金をかけないつもりなのだろうかと勘ぐってしまう。